だめのブログ

丸山道慶が書いています

177年3月 神殿講話 <教理の基本>

 只今は当教会の月次祭のおつとめをともどもにつとめさせていただき誠にありがとうございました。神殿講話をつとめさせていただきます。
 先月はご年配の方も記憶にないと言うほどの大雪でございましたが、教会ではおかげで大きな被害もなく、皆様も大なり小なり影響があったことと思いますがお集まりくださいましてありがとうございます。ここ数年は特に十年に一度のナントカという災害が毎年起きているような気がします。備えておかなければならないと思います。

<ご報告>
 先月、二月はご本部で登殿参拝におぢばに行って参りました。年祭活動中に教会長が交代で本部の結界の中で、おつとめ衣を着けてかぐらづとめを拝させていただくという、上級の会長さんとともに行って参りました。
 冬が終わり暖かくなってきますと行事が色々増えてきます。何点か書いて貼っておきましたのでご確認いただきたいと思っております。三月の春季霊祭、大教会少年会総会、教区少年会総会、来月は当教会の春の大祭でございます。
 四月は教祖のお誕生月でありまして本部では誕生祭がつとめられます。上級教会のバス団参がありますので是非ご都合の付く方はご参加ください。また、四月二十九日には全教一斉ひのきしんデーがあります。例年通りに行いますので、よろしくお願いします。

<教理の基本>
 先月、この神殿講話で、信仰の基本てなんだろうということについてお話をしました。信仰の基本ていうのは、許すという心なんだよ、という風に私は思っていますので、そういう風なお話をしました。
 先日、今行われているようぼくの集いを受講してきました。非常に分かりやすいお話と、今までにないような一般の方が見ても分かりやすく編集してあるようなビデオを見て来ました。信仰の基本的な部分、幸せとはなんだろう、ということを学べる機会だと思いました。本部として年祭活動の中でとにかくおたすけだと言っているわけで、おたすけをするにはまず基本の部分を皆さんで確認し合いたいという思いがあるのだろうと思います。
 ですから私もそこにあやかりまして、今日は教理の基本の話をさせてもらいます。先月は信仰の基本、今月は教理のお話をいたします。
 色々言ってるうちに時間もなくなってきましたので手短にお話したいと思います。

 天理教というと、宗教法人天理教であったり宗教法人天理教桐生分教会だったりしますが、天理教と言った場合には宗教の一つと言えると思います。それ以外にもさまざまな宗教がありますが、それらのものと天理教とは何が違うのかということが、一般の方にとっては一番分かりやすい入り口ではないかと思います。
 一点違うのは、天理教というのは死語の世界についての教えがないです。天国とか地獄とか、そういうことについては教えていません。生まれ変わり出変わるということはたくさん教えて下さってありますが、死語の世界についての教えはお道の中にはありません。魂というのは永遠でありまして、死ぬと言わずに出直すと言いますが、死ぬと生まれ変わってくる、ということは今を生きるという教えです。天理教の教えというのは。
 今をどうやって生きるのかいうと、先を楽しみに通るということです。先というのは一年後、五年後、十年後かもしれませんし、またその先には来世というものもあります。その中で今どんなことが起きているのか、それを教えてくれたのがお道の教えであります。
 お道以外の、天国とか地獄とかというのを教えてくれたのは、それは人が死ぬことが怖いからです。生きていると色々な危険なことがあって、特に仏教が盛んだった時代というのは社会が不安定だったり自然が不安定だったりする時代で、人がたくさん亡くなったり将来が不安だったりしました。
 その死の恐怖、不安からの救いということで、仏様が皆を救ってくださったわけです。だから鎌倉時代になると、南無阿弥陀仏と念仏を唱えると仏様が救ってくださる。どんな悪人であっても念仏を唱えれば死後阿弥陀様が救ってくれるよというところまで教えが発展していったわけです。
 教祖はそういったことを教えなかった。死後どうなるかというと、生まれ変わると教えてくださった。では何を教えてくれたのかというと、それが、人間がなんで産まれてきたのか。なぜ神様は人間をつくったのか。どうやって人間をつくったのか。何のために人間は生きるのか。ということを教えてくださったんです。
 そこが、分かりやすい大きな違いであります。天理教の教えというのは死ぬこととか色んな不安をなくしてくれるものじゃないよ、人間をなぜ作ったのかどうやって創ったのかなんのために人間は生きていくのかいるのかということを、いままで教えていなかったので、今回それを教えますよ、というその点が「だめ」なんです。最後の一点。今まで色々なことは教えてきたけれどもそれについては教えてなかったのでじゃあ教えましょうという、それが天理教の特色でもあるわけです。
 
<教の理>
 それはではなにか。ということ。それが教理の基本であります。
 大教会の前会長様が「教の理」という薄い本を書いてくださいました。天理教の教について基本的な部分をものすごく簡単にわかりやすく短くまとめてくださってあります。ではここに何が書いてあるか。これが私は、お道の教理の基本であると思っています。
 ここにはおつとめとか書いてありません。ひのきしんとか書いてありません。何が書いてあるかと言いますと、十全の守護と八つのほこりなんです。この二点しか書いてない。これがこの神様の教の基本、出発点なんです。ここだけおさえておけば間違いないという点です。
 ですから今日は、十全の守護についてあらためて勉強したいと思ったのですが、そんなに時間がなくなってしまいましたので簡単にお話いたします。
 私は改めて教えの理を読んでビックリしたのですが、神様の教えが書いてあるんですが、読むのには読みなれる必要があるのかもしれませんが、そこには天理教を信仰すれば幸せになれますよとか、天理教を熱心にしんこうすれば病気が治りますよとかは書いてないんですね。書いてあるのは、十全の守護と八つのほこりなんです。
 ここから始まっていくんです。そこからはじめていくと、おつとめをしなければならないとか、ひのきしんしなければ、とかなるんですが、基本はここなんです。十全の守護からなんです。

<十全の守護>

 十全の守護というと難しいんですが、これ少年会向けに言うと、かしものかりものです。人間の身体は神様から借りてますよ。神様が身体を貸してくださってますよ。心は自由に使っていいですよ。この教でしかないんです。十全の守護というのは。それをパーツパーツに分けてお話しましょうか、というのが十全の守護なんです。
 くにとこたちのみこと、をもたりのみこと、くにさづちのみこと、月よみのみこと、くもよみのみこと、かしこねのみこと、たいしょく天のみこと、をふとのべのみこと、いざなぎのみこと、いざなみのみこと、と十のみことが出てきますが、この名前を覚えようとするとわかりません。十全の守護というのは。
 本部の本部勤務とか行きますと、毎朝朝礼でこれを読む。読むというか暗唱するんです。おふでさきを読んだりしてその後これを言う。そうすると天理高校の高校生でも見ないでこれを言うことができるんです。
 ですがこれ、言えても意味が分かわなければ意味がないです。言えるけど意味が分からないんだったら逆の方がいいです。意味がなんとなく分かってて、ナントカのみことという名前がわからんというほうがよっぽどいいので、是非中身を覚えてもらいたい。
 十個しかありませんのでわりと簡単に覚えられます。いざなぎのみこといざなみのみことと最後に出てきますけれど、これは男雛形・種。女雛形・苗代と、長くお話を聞いてこられた皆さんであれば分かるところです。そうしますとそれ以外は八つしかありません。
 まずよく聞きます「火水風」これでもう三つです。あとはつなぎとつっぱりと飲み食い出入り、そして切ると引き出ししかありません。
 ひとつずついきます。順番に行きますと、一番、くにとこたちのみこと様、人間身の内の目うるおい。目。人間の身体というのは70パーセントくらいでしょうか、ほとんどが水分でできているといいます。目もいつも涙で潤っています。世界では水の守護の理。水です。
 二番目にをもたりのみこと様。人間身の内のぬくみ。世界では火の守護の理。あたたかさです。人間の体温というのは、平熱皆さん何度くらいでしょうか。36度5分、6分、その体温を一定に保ってくれるのがぬくみ、火の守護です。世界では火の守護の理。太陽のあたたかさ。これが火の守護です。
 人間の身体というのはたかだが一度二度体温が狂うだけで正常に働かなくなります。寝込みます。38度熱が出る。35度を下回る。正常に行動できなくなる。それを一定に保ってくれている、あたたかさ、それが火の守護です。
 三番にいきますとくにさづちのみこと。これは人間身の内の女一の道具守護の理、皮つなぎ。世界では万つなぎの守護の理。
 人間の身体は7割程度水分でできていると言いましたけど、水だけだとじゃばっと流れておしまいです。お風呂の水集めてきて人間の形にしてもなりません。それが皮、皮膚でつながっている。皮膚というのは全部つながっています。ちょっと破けると大変です。つながっている。破けて水がこぼれないようになっています。これが皮つなぎの守護。世界では万つなぎの守護。つなぎというのは金銭縁談万つなぎと言いますが、人と人との間をつなぐ。こぼれないようにつなぐ。なにかとなにかをつなぐ。それがつなぎのご守護です。

 今三つです。水が出て火が出て皮がでてきました。
 四番目になりますと月よみのみことです。人間身の内の骨つっぱり。世界では万つっぱりの守護の理。
 皮だけだとべろーんとなってしまいますよね。アメーバみたいになってしまいます。それを人間立っていられるのは骨があるからです。この骨の守護神様です。月よみのみこと。
 世界では万つっぱりの守護の理。これはちょっとわかりにくいですね。つっぱりってなんだろう。この世界の中でつっぱっていられるというのはどういうことなんだろう。
 一つの例ですが、昔先輩に教えてもらったことがあります。お前、つっぱりってなんだかわかるかと。わからなかったのでなんですかと聞きましたら、それは重力のことだと教えてもらいました。
 この地球で世界を神様がおつくりになった時に、地球というものがあると重力があります。その、下に引っ張られる力。大地があって天があって、初めて立つという行為が成り立ちます。宇宙に行くと宇宙飛行士の方がぷかぷか浮いています。天井も床もないです。重力がないからです。そうすると立っていられない。立っていられるからこそ人間の日々の営みが生活があるということ。大地があって重力があるということが、つっぱりの守護であります。

 五番目。くもよみのみこと様です。飲み食い出入り。
 飲み食い出入りというのは、食べて飲んで、お腹の中に入っていって消化されて不要物が排泄されて、大事なものは栄養になります。そういうご守護です。
 食べたら食べただけじゃない。出るもの出さないと病気になります。出すぎても病気になりますから、そういうご守護くださるのが飲み食い出入りのご守護で、世界では水気上げ下げの守護の理と言っています。
 水がなくなると大騒ぎです。夏になると日本でも水不足になったりします。砂漠に行けば水がなくて色々な大変なんですが、水というのは誰かが作り出すものではなく常に循環しています。海まで流れると海で暖められて雲になってその雲が山で雨を降らせて川を流れて海に注ぐ。神様が作った永久機関のようなものです。このご守護をくださっているのがくもよみのみこと、お姿はうなぎです。お姿の話まですると時間がないのでしません。

 今五番目まできました。最初に水、目うるおい。人間の身体は水分でできていますよ。次にぬくみ。体温が一定に保たれていますよ。三つ目に皮つなぎ、皮膚ですよ。四番目に骨ツッパリですよ。5番目まできて飲み食い出入りですよ、とここまできました。

 六番目。かしこねのみことというのが出てきます。火水風といいましたが、風です。呼吸。息吹き分け。呼吸すること、話すこと、聞くこと。これがかしこねのみことです。
 音というのは空気が震えることです。それが鼓膜に届く。そして聞こえるわけです。空気がなければ音というのはないんです。ですから聞こえることもかしこねのみことです。世界では風の守護。風というのは今日もすごい風ですが、びゅーという風だけではありません。風というのはどういう現象かといえば空気が動く現象ですから、空気なんです。火水風と言った場合には、火と水と空気を神様がご守護くださっている。空気というのはないと人間死んじゃいます。これほどわかりやすいものはありません。

 もうこれで六つ出てきちゃいました。残る二つは、そんなに頻繁に人生の中で登場するものではありません。たいしょく天のみこと、をふとのべのみこと。
 たいしょく天のみこととは切るおはたらき。切るのはいつ切るかというと、第一には出産のとき。親と子の胎縁を切る。ま、へその緒を切るみたいなもんですか。出産のときに切る。第二に出直しのときに切る。そしてあとは、特に切っていただくのは、いんねんを切る。ちょっとこの話は時間がなくてできませんが、いんねんというものをそれぞれにとって、一番良いタイミングで引き出してくれるために、まず切る。その働きです。
 たとえば、手術をします。人間が手術をします。人間が人間の身体を切るというのはなかなかないことなんですが、切るときは思い切ってスパッと切らなければなりません。一番切れるお医者さんのメスで切るわけです。なんでかというと、綺麗に切ると綺麗につながるといいます。昔よくスケバンの話で二枚刃のナントカなんてありまして、あれはかみそりとかみそりの間に十円玉をはさんで切ると、顔に二本傷がつくので、くっつきにくくなるんだそうです。傷がずっと残るので、二枚刃というのは恐ろしい道具だったそうです。
 それじゃダメなんです。くっつかないと。綺麗に切ると綺麗にくっつくんです。切ったらつなぐ。つなぎというのは三番でくにさづちのみこと出てきましたが、何のために切るのかというと、つなぐ為に切るんです。その切るおはたらきが七番目、たいしょく天のみことです。世界では切ることいっさいの守護の理
 そしてをふとのべのみことが八番目に出てきます。出産のとき親の胎内から子を引き出す世話。これしかないんです。体内、身のうちにおいては。出産の時引き出す世話だけなんです。
 そのほかの、一番から六番までのみこと様たちは、なくなったら生きてられないというような、一秒たりとも隙のない働き。その後にたまにしか切らないんですよねという、たいしょく天のみことが出てくる。
 さらにその後に、出産のときにしかはたらかないご守護が出てきます。それだけ出産というのは大変なんです。そしてこれは、女の人にしかないんです。男の子は生まれてくるときに引っ張ってもらう働きはありますが、男の人は出産しませんから。男の人というのは、成長してからをふとのべのみことの守護を体内においていただくことがあまりないわけです。
 そして世界では引き出し一切の守護。これはいんねんの芽を引き出す。これはつまり、出会うべき人に出会うタイミングとか、そういう引き出しです。これが世界では引き出し一切の守護の理といいます。いんねんとはよく種まきといいます。良くも悪くも自分が蒔いた種から芽が出る。蒔いた種が芽を出す為には、まず種のお腹を切るんです。ぱっと割れて芽が出る。それはその植物にとって一番いいタイミングで出るんです。
 種物の芽腹が切れなかったら芽が出ないだろう。芽が出なかったら切れないでしょ。という、その理、ご守護ですね、切るということと引き出すということは一つなわけです。
 そしてまた切ったらつなぐというというのがくにさづちのみことがでてくるわけです。

 ざーっと言いましたけれども、そういうこと、です。
 水でできてますよ、あたためられてますよ。皮がありますよ、骨がありますよ。飲んだら吸収されて出ますよ。息ですよ。これで六つです。切りますよ、引き出しますよ。そしていざなぎさまいざなみさま。
 これらの神様のお働きがあるからこそ、人間は生きてられますよね、という、これが十全の守護なんです。
 神様が人間をつくったんだよ、こうやって作ったんだよ。こうやって今神様が働いているんだよね、ということを教えてくれた。かしものかりものです。
 で、心は自由に使っていいよと言ったけどそうすると悪い心が出ちゃいます。それをほこりと教えてくださった。それもここ、「教の理」に書いてあります。八つのほこり積んじゃうよね。だったら、おつとめするとほこりが払えるよね。だからみんなおつとめしてくださいね。ということを教えてくださった。

 これが、教理の基本です。と私は思ってます。
 これから皆様にはようぼくの集いに参加していただいて、何かおたすけ、人様のために働かしてもらうことができるかなあということを考えていただく機会が多くなると思います。その時に、神様の教の基本て言うのは十全の守護と八つのほこりなんだと。かしものかりものと八つのほこりというのが第一の基本なんだ。それを教える為に教祖を通じて親神様は色々とお教えくださったんだよというところを、是非今一度心に留めていただきたいと思う上から、今日はこのような話をいたしました。以上でございます。